これを読めばあなたもみかん教養課程修了です。

CONTENTS
みかん歴史講座
みかん分類辞典
みかんうまみ考
貯蔵技術伝授
みかんこぼれ話
みかんかわら版
【みかん歴史講座】

温州みかんの発生地はどこかご存知ですか?
日本なのです。鹿児島県長島というところで中国伝来のかんきつより偶発したと伝えられています。
温州みかんの"温州"は中国浙江省の温州府のことで、そのために中国渡来説もあったそうですが、中国には温州みかんが存在しなかったようです。
では、なぜ"温州みかん"と呼ばれるようになったのでしょうか?
中国の書物に"橘録"というのがあるそうで、その書物の中で温州産のみかんがほめたたえられているそうです。
そこで、日本でも"温州"という名称が美味しいみかんの敬称として使われるようになり、"温州みかん"と呼ばれるようになったのです。



【みかん分類辞典】

みかんの種類にはどのようなものがありますか?
たくさんありすぎて全部はご紹介出来ませんが、有名なものだけでもいくつかご紹介致しましょう。
[極早生(ごくわせ)温州]
日南1号 極早生温州の中でも成熟期の早い品種。果汁は9月末で糖度が10度、クエン酸1%程度に達する。
岩崎早生 着色は9月中旬から始まり、10月初めには3〜4分着色となる。糖度は極早生温州の中でも安定して高い部類に属し、10月中旬には10〜11度に達する。
[早生(わせ)温州]
宮川早生 温州みかんの中では腰高な果実。果面はなめらかで果皮の厚さは中程度。熟期は10月中〜下旬であるが、完全着色以後も樹上で糖度が上昇するため、完熟栽培も行われている。
興津早生 宮川早生と比べて、果汁の糖度はやや高い傾向にあり、クエン酸含有量は同等であるため、より濃厚な食味である。じょうのうは薄くそのまま食べられる。完熟栽培も可能。
[中生(なかて)温州]
南柑20号 果汁の糖度は11〜12度程度で高糖系温州には及ばないが、じょうのうが薄く、袋ごと違和感なく食べらられることから、食味の評価は高い。
菊間中生 果実の着色が南柑20号より10日程度早い。果汁の糖度は、条件次第で12〜13度以上にまで上昇する。
久能温州 果汁の糖度は比較的高く、食味が濃厚で果実品質が優れている。年内から正月にかけて出荷される代表的な品種の一つ。
[普通温州]
大津4号 高糖系の一種。糖度は高糖系の中でも高く、品質のバラツキが少ない。果皮はやや薄く黄色っぽい。
[晩生(おくて)温州]
青島温州 高糖系の一種。糖度は在来系の普通温州などと比べて1度以上高く、クエン酸含量は同程度かやや低いため、食味は極めて良好。じょうのうがやや厚く硬いのが欠点。


【みかんうまみ考】

みかんの美味しさは何で決まるのでしょう?
果実のうまみは、何といっても糖・酸のバランスが重要です。 みかんのうまみにも糖・酸のバランスが大きく左右しているといって差し支えないでしょう。
糖の増加と酸の減少は、みかんの成熟に伴って並行して進行し、貯蔵中には時間の経過にしたがって酸が減少することが知られています。
みかんのうまみには、みかんそのものに含まれる糖・酸の量はもちろんのこと、収穫の時期や貯蔵期間も大きく関係しているのです。
みかんが美味しいと感じるのはどのくらいの糖度なのでしょう?
一般的には糖度11度になると味がよくなると言われています。 糖度も高ければよいというものでなく、うまみの限界点は14度前後と言われています。 糖度は11度から14度の間がうまみを感じる数値のようです。
ただし、人の好みは十人十色。こんな科学の数値を鵜呑みにするではありませんぞ。 ご自分の舌で自らの好みを確かめましょう。それがみかんのうまみを堪能する秘訣です。
一方、みかんの貯蔵期間中、呼吸作用によって酸は消耗し、酸度は徐々に低下します。 酸度の低下は、みかんの甘みを増す結果となり、度を越すと甘いだけの味気ないみかんになってしまいます。
"食の基本は旬にあり"ってところかな。
みかんのうまみは糖度と酸度だけで決まるもの?
もちろん、糖・酸、そのバランスだけで決するものではありません。 糖・酸に加え、香りやアミノ酸、苦みなどの諸要素が折り重なって一つの美しいハーモニーを形作るのです。
香りも含めてみかんを味わうことにしましょうか。


【貯蔵技術伝授】

みかんは収穫してすぐには出荷しないってホント?
一般には収穫して1週間〜2週間、貯蔵庫で貯蔵します(ただし、極早生みかんと一部の早生みかんを除く。)。 この貯蔵を、予措(よそ)といい、果皮を乾燥させることが目的です。
果皮を乾燥させることで果肉から果皮への水分移行が減少し、結果、味が落ちついてきて糖・酸のバランスがよくなるとともに、腐敗果の発生防止や浮き皮防止、す上がり防止などの品質劣化抑制効果があるといわれています。
貯蔵になにかご苦労はあるのでしょうか?
貯蔵の一番の問題は、腐敗果の発生です。青かび病や緑かび病のように果皮の傷がもとで発生する腐敗果と軸腐病や黒腐病のように菌が栽培中に樹上で侵入することによって発生する腐敗果があります。 いずれも、発見したら速やかに取り除き菌の増殖を防ぐことが重要です。
では、私たち消費者はどうやってみかんを貯蔵したらいいの?
気温10℃前後まで(地域によって差はありますが、だいたい2月末から3月上旬頃まで)なら常温で貯蔵できます。
風通しのよいところで常温貯蔵していれば十分です。
といっても、時間の経過にしたがって糖・酸のバランスが変わってきますので、一番美味しい時期になるべく食べた方がよいでしょう。 生産者に旬を確かめるのも、確実に美味しいみかんを胃袋に納めるためのいわゆる一つの手段ですね。
送られてきたみかん箱は、まずふたを開け、腐敗果があるかないか確かめましょう。 その際に指の爪などで傷つけないよう気をつけましょう。 確認が終われば、ふたは開けたままで風通しがよく高温にならないところに置くことが大切ですね。


【みかんこぼれ話】

俳句で"みかん"は冬の季語。こたつに足を突っ込んで家族でみかんを食べる光景は冬の風物詩の一つでしょう。 みかんを題材にした句も多くあります。
例えばこんな句。
ねむさうにむけるみかんが匂ふなり 春草
蜜柑の香染みたる指を洗はずに 誓子
をとめ今たべし蜜柑の香をまとひ 草城
これらはすべてみかんの香りを主題にしています。 みかんの香りが多くの人に愛されているという証ではないでしょうか。 あの甘酸っぱくて鮮烈な香りはいつ匂ってもいいものです。
みなさんもみかんを題材に句をつくってみてはいかがでしょう?


【みかんかわら版】

発掘!あるある大事典(フジテレビ)のみかん特集(1998/12/6放映)
詳細は発掘!あるある大事典のオフィシャルサイトで「みかん」で検索

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【参考文献】
果実の科学 − 伊藤三郎 編 − 朝倉書店 発行
日本のくだものと風土 − 岸本修 編 − 古今書院 発行
話題の柑橘100品種(刷新版) − 愛媛県農業協同組合連合会 発行
最新俳句歳時記 冬 − 山本健吉 編 − 文藝春秋 発行